【女子ゴルフ】韓国選手同士が遺恨の場外乱闘 怪我で欠場の原因は優勝した選手の父が落としたキャリーバッグ 事故か故意かで泥仕合
米女子ゴルフツアーで活躍する韓国有力女子選手2人による「遺恨劇」が勃発した。
韓国メディアが一斉に報じている。
ある事故を原因に謝罪した、しないと水掛け論を演じて家族を巻き込んで対立。
皮肉にも当事者の1人が欠場する中、もう1人は優勝し事態は複雑化した。
米ツアーで熾烈な争いを繰り広げており、さながら“場外乱闘”の様相だ。
問題の事案は、3月3日から4日間、シンガポールで開催されたHSBC女子チャンピオンズに絡んで起きた。
3月7日付の中央日報などによると、大会出場のため3月1日にシンガポール空港に到着した韓国のチョン・インジ(23)がエスカレーターで、後ろの人が落としたキャリーバッグにぶつかって後ろに転倒し、腰を強打したという。
病院で精密診断を受けたところ、尾骨の脊椎部位の筋肉が微細に破れていたことが分かり、医師から1週間程度の安静が必要と診断された。
このため大会を欠場せざるを得なくなった。
ところが、このキャリーバッグの持ち主が韓国のジャン・ハナ(21)の父親だったことが判明したことで事態がややこしくなった。
ジャン・ハナのマネジメント会社は「ジャン・ハナが空港の下りエスカレーターに乗っていた最中に靴ひもを結び、父親がこれを見ようとよそ見をした間にキャリーバッグが滑り落ちた」と釈明した。
バッグの重さは約7キロだったという。
中央日報は「ハプニングで済んだかもしれなかった」事態が、「現場にいた何人かの選手がソーシャルメディアに関連内容をアップ」したことで一気に広まったとした。
事態が複雑化したのは「謝罪した」「しない」の水掛け論だ。
朝鮮日報によると、ジャン・ハナ側が「直後にチョン・インジに申し訳ないと言って別れた。
チョン・インジのお父さんにも電話をかけて謝罪した」としたのに対し、チョン・インジ側は「けがで試合に出場できなくなったにもかかわらず、きちんとした謝罪を受けていない」と怒りが収まらない様子。
さらに、中央日報によると、事故当時の状況に関しても、チョン・インジ側は「キャリーバッグにぶつかった後に倒れた」と話す一方で、ジャン・ハナ側は「倒れていなかった」と主張。
結局、双方が真相究明のためエスカレーター付近の防犯カメラの映像を確認して白黒つける案まで出ているという。
この騒動の中にもかからわず、ジャン・ハナは最終日に65で回り、通算19アンダーで大会を優勝。
今季2勝目、米ツアー通算2勝目を挙げ、賞金ランキングは1位に躍り出た。
一方、高麗大の女子大生ながら、昨年は全米女子オープンで優勝する実力を示すチョン・インジは今季も出場2試合で2位、3位と好調だっただけに、家族としては感情的に納得できないのかもしれない。
チョン・インジの父親はインタビューで「娘の将来のために我慢する」と語ったと朝鮮日報。
さらに、チョン・インジはファンサイトに「私も両親も、あちらの方々が主張するような謝罪の意を伝えられていない」と強調。
そして「あちら(ジャン・ハナ)側で釈明しただけでも気持ちが晴れた。悪かったと思っているから、そう言ったのだろう。
私はもうさっさと切り替えたので大丈夫」と心境を書き込んだという。
米女子ツアーには約40人の韓国勢が参戦。
ジャン・ハナは今回の優勝で世界ランキングも5位、韓国勢で6番手から2番手に浮上した。
112年ぶりにリオデジャネイロ五輪で競技種目に復活したゴルフの出場権を得るには、今年7月11日付の世界ランキングを基にしたランキングで選出される。
ランク15位以内の選手は1カ国4選手が選出される。
韓国の場合は15位以内に7選手がひしめく激戦。チョン・インジは同8位で韓国勢5番手。
朝鮮日報は「両選手が五輪出場をめぐって競い合っていることもあり、ファンの間では感情的な対立につながっている」と、ファンの間にも“遺恨”が広がっていると伝える。
写真:キャリーバッグ騒動の中、米ツアーのHSBC女子チャンピオンズで優勝したジャン・ハナ(AP)
産経ニュース 2016.3.12 11:00
http://www.sankei.com/premium/news/160312/prm1603120017-n1.html
http://www.sankei.com/premium/news/160312/prm1603120017-n2.html
http://www.sankei.com/premium/news/160312/prm1603120017-n3.html